2018.05.22

ドビ転倒、ル・マン得意のヤマハも届かず。
マルケスの独走を許すのか

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 第5戦・フランスGPの舞台、ル・マンのブガッティ・サーキットは短い直線をタイトな中低速コーナーや左右に切り返す区間でつなぐ、典型的な「ストップ&ゴー」タイプのサーキットだ。動力性能を武器とするホンダやドゥカティは、以前からこのコースではどちらかといえば苦戦することが多く、旋回性に優るヤマハが伝統的に有利、というのがこれまでの勢力構図になっていた。

ライバルを抑えてトップに立つマルク・マルケス(左) しかし、今年はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がきっちりとレースをコントロールして27周の戦いを制し、優勝を飾った。終盤には2番手を走るダニロ・ペトルッチ(アルマ・プラマック・レーシング/ドゥカティ)と3番手のバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)との間に、それぞれ2秒差が開いていた。

 3位のロッシは「(ヤマハのバイクは)他のコースでも速いと言いたいけれども、今回はコースが合っていた」と表彰台獲得の理由を述べ、「自分たちに特に問題があるわけじゃないけど、問題はライバルがさらに速いということ」と、現在の戦力差を説明した。2位のペトルッチは「終盤はバレが2秒後ろでマルクが2秒前。『これは優勝を狙うには手遅れか……。2位で終わるほうが、グラベルで(転倒して)終わるよりいいな』と思った」と、冗談混じりでレース後半の状況を説明した。

 そして、第3戦オースティン以来の3連勝となったマルケスは、「ずっと苦戦してきたル・マンで勝ててうれしい。ウィークを通して高い戦闘力を発揮できた」と、素直に優勝を喜んだ。レース展開については、「今日のレースではドビ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ/ドゥカティ・チーム)をチェックしていた。今回のウィークで、いいペースを持っていたのは彼だから。ドビが転倒してからは戦略を少し変え、落ち着いてじっくりいくようにした」と、当初の予測とやや異なる流れで推移していったことを明かした。

 この言葉からもわかるように、今回のマルケスの勝因は、もっとも厳しい競争相手に想定していたライバルが早々にいなくなったことで、比較的ラクな展開に持ち込めたから、ということなのだろう。