ドビ転倒、ル・マン得意のヤマハも届かず。マルケスの独走を許すのか (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 しかし、ドヴィツィオーゾ自身の説明によると、このときは全然無理をしておらず、したがって予想外の転倒だった、という。

「けっしてアグレッシブだったわけじゃなく、むしろ80パーセントくらいだった。ブレーキを少し遅らせたとき、フロントへの注意が十分ではなく、切れ込んでしまった。100パーセントで攻めていたらそういうこともあり得るけど、そうじゃないのにこういう結果になってしまったから、本当に気が滅入る」

 ドヴィツィオーゾがノーポイントで終え、マルケスが優勝で25ポイントを加算した結果、ふたりのポイント差は49点に広がった。

「この49ポイント差は本当に厳しい。マルクは状況のコントロールに長けているので、この差が開いてしまったのが今日の痛恨事」とドヴィツィオーゾが今日の結果を悔やむ一方、マルケスはドヴィツィオーゾへの49ポイント差に加え、ランキング2位に対しても36点の大量リードを築きあげた。「次のムジェロ(イタリアGP)は温度条件次第で厳しくなる可能性もあるけど、今年はここまでバイクと自分がすごくピッタリきているのでとてもハッピーだよ」と話す口調からも、いい流れを掴んでいる勢いのよさが感じられる。

 とはいえ、シーズンはまだ5戦を終えただけで、14戦を残している。これから初夏を経て秋口に差しかかるまで、戦いはいっそう熾烈さを増してくる。本来不得意だったはずのヘレスとル・マンで速さを発揮したドゥカティの高い戦闘力がホンモノなのであれば、今シーズンはここから先、さらにひと波瀾もふた波瀾もあるだろう。

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