アロンソに勝ったトロロッソ・ホンダ。4位が示すチームの良好な関係 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 しかし、金曜フリー走行で走り始めてみると、低速コーナーだけでなく中高速コーナーでもSTR13は良好な挙動を示した。メルボルンで苦しんだコーナリング中のマシンバランス変化やリアの不安定さが解消され、ドライバーたちが自信を持って攻めていけるクルマになったのだ。

「メルボルンでは、コーナーのエントリーからコーナーのなかでマシンバランスがかなり違っていたんだ。だからスタビリティ(安定性)が欠けたような感じで、エイペックスを過ぎた後からコーナー出口にかけてマシンバランスがよくない状態だった。

 でも、それが大きく改善できてマシンバランスがよくなったうえに、全体的なグリップレベルもよくなった。そして空力面のセットアップも改善できて、中高速コーナーの挙動もメルボルンのときと比べて格段によくなったんだ」(ガスリー)

 これはメカニカル面、つまりサスペンションセットアップの哲学を変えたからだ。バルセロナ合同テストで、さまざまなトライをしたなかで見つけていたアイデアだという。

 だが、半公道サーキットで通常のグランプリサーキットと大きく異なる特殊なメルボルンでは正確な評価が難しく、このトライが混乱を引き起こすことも十分に考えられたため、このバーレーンGPで初めて実戦投入されることになったのだ。

 トロロッソのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーはこう説明する。

「マシンセットアップに対して新しいフィロソフィを採用した。メカニカル的にマシンをどう扱うか、という考え方を変えたんだ。それが大きな後押しになったし、マシンパフォーマンスという点では非常に満足のいく週末になった。

 中高速コーナーはメルボルンではトリッキーだったけど、まだまだ改善の余地はあるとはいえ、今週末は中高速コーナーに対してもマシンバランスは良好になり、挙動もコンシステント(一貫性)になった。今回のセットアップ変更をメルボルンで施していれば、開幕戦でももう少しマシだったと思う」

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