F1ホンダが新体制に。「失敗しない
アプローチ」は今度こそ成功するか (4ページ目)
浅木は1981年に入社し、第2期F1活動初期のウイリアムズ・ホンダのころからF1用ターボエンジンの開発に従事した。F1活動休止後は、今のF1と同じV6エンジン担当でレジェンドや北米市場向けミニバンを手がけ、その後は一転して初代オデッセイや北米仕様アコードなどで自ら直4エンジンを提案。2011年には軽自動車の初代『N-BOX』から『N-ONE』までLPL(開発責任者)を務め、ホンダの業績に大きく貢献する車種を生み出し続けてきた。
過去の実績そのものだけでなく、常識にとらわれず前例のないクルマを生み出すことに成功してきた人物と言っていい。今のホンダに必要とされているのは、まさしくそんな独創的で豪快なホンダらしさを感じさせる開発なのかもしれない。
2017年シーズンは設計コンセプトをガラリと変えたために開幕前の開発でつまずき、半年遅れでの開発スタートを余儀なくされたため、その遅れを取り戻すのに時間を要してしまった。ターボとMGU-H(※)をつなぐシャフトとベアリングにトラブルが多発したが、すでに基本設計が固まっている今季型に対策を施すには限界があった。この部分の改善についても、来季型ではホンダジェットのタービン技術を採り入れるなどして抜本的対策が進められているという。
※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。
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