マクラーレン・ホンダのラストラン。最後くらいは笑顔で終われるか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 一方で、開幕前にはまだまだ上位勢に大きな差をつけられていた車体性能も、幾度かのアップデートを経て3強との差を縮めてきた。開幕当初は車体だけでも1.5秒ほどの差があったものが、1秒前後まで縮まってきている。

 チームとしても、車体ドラッグ(空気抵抗)の大きさは承知のうえで、だからこそ第19戦・ブラジルGPではレスダウンフォースの方向性もトライした。しかしMCL32の車体特性から言えば、ダウンフォースをつける方向に振らざるを得なかった。結果には結びつかなかったが、チームとしてポテンシャルを最大限に引き出すためにあらゆるトライをしよう、という姿勢は歓迎すべきことだった。

 マクラーレン・ホンダとしての戦いは、今週末の最終戦アブダビGPで終わりを迎える。

 アブダビGPの舞台ヤス・マリーナ・サーキットは、人工的に作られた島の水路にあるマリーナと高級ホテルの周囲を回るレイアウト。マクラーレン・ホンダにとっては決して不利なサーキットではない。

 MCL32が苦手とする高速コーナーが1箇所しかなく、逆に得意な低速コーナーの加減速は多い。ストレートが2本あるが、極端に長いわけではなく、空気抵抗の影響が少ない260km/hあたりまでの車速はライバルと差がないため、大きな車速差の不利を抱えて走らなければならない時間はそれほど長くはない。

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