五つ巴バトルを制したマルケス。13位ドヴィツィオーゾは何が起きた?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 三つ巴、四つ巴、五つ巴の激しいバトルで、トップグループのライダーたちによる固唾を呑むギリギリのオーバーテイクがコース上の至るところで繰り広げられた。この激しい集団バトルもまた、オートバイレースならではの醍醐味だ。

激しいバトルを繰り広げたビニャーレス(左)、マルケス(中央)、ロッシ(右)激しいバトルを繰り広げたビニャーレス(左)、マルケス(中央)、ロッシ(右) 第16戦・オーストラリアGPの決勝レースは、ランキング首位のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)、マーベリック・ビニャーレス(同)、ヨハン・ザルコ(モンスター・ヤマハ Tech3)、アンドレア・イアンノーネ(チーム・スズキ・エクスター)たちが入り乱れて、互いに前を奪い合う大接戦となった。

 1週間前の第15戦・日本GPでは、マルケスとランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)が最終ラップの最終コーナーまで1対1の真っ向勝負を続けて観客を唸らせた。1週間後のフィリップ・アイランド・サーキットでは、そのときとはまた異なるレース展開で、トップクラスのライダーたちがハイスピードコースの特性と自分たちのスタイルを最大限に活かして、イチかバチかの勝負を続ける集団バトルになった。

 ポールポジションを獲得したのは、このコースを得意とするマルケスだったが、序盤にレースをリードしたのは地元出身の22歳、ジャック・ミラー(EG 0,0 Marc VDS/ホンダ)だった。右脚を骨折して3週間前に8本のスクリューで固定する手術をしたミラーは、前戦の日本GPを欠場し、今回のホームGPでレースに復帰。ウィーク初日のフリー走行から3番手につける速さを見せて、日曜の決勝でも4周目までトップを走行した。手術直後とは思えない力強い走りで、オーストラリアの地元ファンをおおいに沸き立たせた。

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