衝撃の最終ラップ。ドヴィツィオーゾと
マルケスが演じた至福の2分間
ウェットコンディションのレースとしてはもちろんのこと、近年のMotoGPでも屈指の名勝負だったかもしれない。
90度コーナーでブレーキ勝負を演じるドヴィツィオーゾ(左)とマルケス(右) 冷たい雨が降りしきるツインリンクもてぎで争われた第15戦・日本GPの決勝レースは、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)とマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が最終ラップの最終コーナーまで息詰まる戦いを繰り広げた。両選手の意地と駆け引きが真っ正面から交差した攻防は、劣悪なウェットコンディションとはとても思えないほどの、互いに一歩も引かない激闘だった。
全24周のレースが最終ラップを迎えたとき、トップを走っていたマルケスと背後のドヴィツィオーゾの差は0.465秒だった。
「終盤の6周はタイヤが終わって、正確に走ることがとても難しかった。彼も苦労していたけど、自分も厳しかった」と話すドヴィツィオーゾは、「少し差が開いていたので、この距離だと狙っていた11コーナー(90度コーナー)での勝負はできないと思った」と、最終ラップに入ったときの状況を振り返った。
90度コーナーは、スピードが乗る下りの長いバックストレートエンドで、300km/hから70km/hまで一気に減速するハードブレーキングポイント。ブレーキの激しさに定評のあるドヴィツィオーゾとストレートの伸びに卓越した特性を持つドゥカティが勝負を狙うには、絶好のポイントだ。
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