2017.08.30

心が折れたか。アロンソの
「故意リタイア疑惑」でホンダとの関係は?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「このエンジンはクソだ!」

 第12戦・ベルギーGPの金曜フリー走行、スパ・フランコルシャンを走り始めたフェルナンド・アロンソはそう言い切った。ホンダが投入した「スペック3.5」は、彼の期待に添うものではなかったからだ。

10番グリッドから好スタートを切ったアロンソだったが... ホンダは夏休み明けのこのベルギーGPを目指して、ICE(内燃機関エンジン)の燃焼系を改良した「スペック4」の開発を進めてきたが完成には至らず、第11戦・ハンガリーGPまで使ってきたパワーユニットの吸気系など封印されていないパーツを改良して「スペック3.5」とした。

(MGU-Hの走行距離の問題で交換が必要だったストフェル・バンドーンには信頼性向上のための変更を施した新品ICEを投入し、こちらは「スペック3.6」としたが性能上は3.5と大きな差はなく、金曜の走行後にハイドロ(油圧制御)系に問題が見つかったため、原因箇所を究明するよりも3.5のスペアに全交換して予選・決勝に臨んだ)

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 燃焼系そのものの改良ではないため最大出力はそれほど変わらないが、今回の改良によって低速域のトルクが大幅に向上していると、ホンダの長谷川祐介F1総責任者は説明する。

「特に今回は低速のトルクをかなり上げていて、低速コーナーからの立ち上がりやスタートでの低速トルクは軽自動車1台分くらい上がっています」

 アロンソは「違いがわからない」と好評価を与えなかったというが、低速トルクの向上は確実にタイムに貢献していた。