心が折れたか。アロンソの「故意リタイア疑惑」でホンダとの関係は? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

バンドーンのスリップに入ってタイムアップを図るアロンソバンドーンのスリップに入ってタイムアップを図るアロンソ とにかく、アロンソのフラストレーションが増大していることは明らかだった。

「このサーキットでのパワーの不利がどのくらい大きいかはわかっているし、Q1とQ2でトップから1.5秒差とか1.7秒差のタイムで走れたということは、パワーユニットの不利がなければ1位・2位になれるということだからね。シャシーは予想以上にコンペティティブだったし、それはものすごくポジティブなことだしハッピーだよ」(アロンソ)

 ただし、実際にはQ2のタイム差は2.163秒。最終アタックではどのマシンも0.2秒ほどのタイムアップしか果たしていないことを考えると、最後のアタックが成功していたとしても、せいぜい1.9秒差。メルセデスAMGの予選モードに対する60kW(約81.6馬力)の差や、対フェラーリの40KW(約54.4馬力)、対ルノーの20kW(約27.2馬力)差を10kWあたり0.25秒という数値に当てはめても、トップ争いというのはやや大袈裟で、アロンソの感情論が多分に加味されている。

 また、「こうした理不尽な言動に対してホンダ側は何も反論しないのか?」という声がパドックで聞こえていたことも事実だ。

 しかし、長谷川総責任者は「反論はしない」と言う。

「それに関しては僕もすごく思うところはありますけど、レースというのは一番じゃなければ何を言っても言い訳になってしまいます。ウチのパワーユニットが一番でないことは確かですし、言い訳はしません」

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