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ザウバー初テストでF1の味を知った
松下信治。日本人復活への第一歩

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 8月2日、ハンガロリンク――。141周という初めてのF1テストドライブを終えた松下信治(まつした・のぶはる/23歳)の目はきらきらと輝いていた。まさしくそれは、新しい玩具を与えられた子どものような表情だった。

ザウバーのスタッフとコミュニケーションを図る松下信治ザウバーのスタッフとコミュニケーションを図る松下信治「本当に楽しかった! とにかくF1マシンはダウンフォースが強くて、クルマが安定していて、あのグリップ感の高さと走りやすさにはビックリしました。グリップがあり得ないくらい高かった」

 FIA F2で3年目のシーズンを戦う松下は、テストと同じハンガロリンクをF2マシンで何度も走っている。マクラーレンの開発ドライバーとしてシミュレーターで走り込み、2017年型F1マシンの速さも知っている。しかし、実車で走るのは別の世界だった。

「走っていて(キミ・)ライコネンが抜いていったんですけど、今までコースの外から見てきたF1マシンが初めて自分と一緒に走っているのを後ろから見て、『うおぉ、フェラーリが抜いてったよ!』って、それがすごく衝撃的でした。テストとはいえ、ついにF1の舞台まで来たんだなっていう感慨がありました」

 この日、ザウバーC36で141周を走った松下は参加13台中最下位で、トップのフェラーリからは4.874秒落ちのタイムだった。

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