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クールな中嶋一貴が大喜び。
1年半ぶりにスーパーフォーミュラを制す (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 そして迎えた23日の決勝レース。スタートではいつも抜群のダッシュで1コーナーまでに順位を必ず上げている中嶋だったが、今回はうまくダッシュできなかった。しかし、うまくリカバーしてトップのまま1コーナーへ。レースをリードしていく展開となる。

 2番手で追ってくるのは、鈴鹿のコースを得意とする山本尚貴(TEAM無限)。チャンピオン経験者同士の、ひとつのミスも許されないハイレベルなマッチレースとなった。だが、中嶋はそんな状況でも集中力を切らすことなく、1周あたり0.1~0.2秒ずつ山本を引き離し、最後まで誰にもトップを譲ることがないままチェッカーフラッグ。見事、1年半ぶりの優勝を手にした。

 レース後の記者会見でも、中嶋は予選後と同じような心境を口にした。

「ホッとしたというのが、正直な感想です。昨年も勝てるチャンスがあったのですが、自分のミスで逃していたので、久しぶりの優勝になりました。『最後まで本当に勝てるのかな?』みたいな気持ちもありましたが、クルマの調子がよかったので、贅沢な悩みではありましたが、逆にそれがプレッシャーにもなっていたので......。

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