クールな中嶋一貴が大喜び。1年半ぶりにスーパーフォーミュラを制す (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 実は予選当日、中嶋は前日の好調さとは裏腹に険しい表情を見せ、取材に対してもあまり多くを語らず、どちらかというとナーバスになっているように見受けられた。それが、予選後の記者会見では「ホッとしました」と心の底から安堵した表情に。ポールポジション獲得までの心境を、中嶋はこのように語った。

「冬の間からクルマの調子が非常によくて、昨年よりもレベルアップした状態でシーズンに臨めるだろうなと思っていました。でも、金曜日から妙にタイムが速かったので、逆にそれが少し重荷になっていました。

 予選までにライバルたちも絶対に(マシンバランスを)合わせてくるだろうなと思っていましたが、クルマが贅沢なくらい速かったので、チームには感謝しています。Q2でも国本選手のタイムが非常に速かったですが、自分としては満足のいくアタックができました。満足していますが、ホッとしているほうが大きいですね」

 近年のスーパーフォーミュラは、レース中の追い抜きが非常に難しい。その分、スターティンググリッドが重要となり、それを決める予選はレースを勝利するうえで重要なパートとなっている。勝つために欠かせないひとつ目のミッションをこなすことができたことが、「ホッとした」というコメントにつながったのだろう。

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