序盤戦で見えたF1ホンダの悲しすぎる現実。勝負は夏休みまで我慢 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 パワーユニットの非力さに関して言えば、パワーの要であるICE(内燃機関エンジン)が根本的に変わらなければパワーアップは果たせない。それは早くても第5戦・スペインGP、常識的に考えれば第7戦・カナダGPあたりへの投入になると言われているが、それも「すぐに上位勢に追いつけるような進化を果たすのは難しい」という。おそらくは、夏休み前後の2回目のアップデートが勝負になるだろう。

 車体面でも、チーム側は毎戦のようにアップデートを投入するつもりだというが、逆にいえば車体面もメルセデスAMGやフェラーリのようにある程度完成された状態にはまだ達していないということだ。フォースインディアがバーレーンにメルセデスAMGを模倣したようなバージボード(※)を投入してきたように、車体のディテールに目を向ければ、MCL32のそれはまだシンプルで進歩の余地を感じさせる。

※バージボード=ノーズの横やコクピットの横に取り付けられたエアロパーツ。

 パワーユニットの改善には、まだまだ時間がかかる。その間に車体面の改良も、できるかぎり進めておかなければならない。シーズン後半になれば、開幕前テストで走り込めなかったのが原因だなどという言い訳は通用しない(そもそもテストで走れなかった原因の大半は車体側のトラブルでもある)。

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