現状はザウバーのちょっと上。開幕戦ではっきりしたF1ホンダの戦闘力 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 レースを終えたアロンソは、苛立ちを爆発させるでもなく、パワーユニットだけを責め立てることもなく、ただ淡々と語った。

「僕はとてもいい形で身体の準備を整えることができたし、最高の状態でシーズンに臨んでいる。自分のキャリアでも最高のドライビングができていると感じているけど、それで1ポイントを争っているんだからね。とてもガッカリしているよ。もちろん僕自身は、勝つ準備ができているよ。でも、僕らはチームとしてその準備ができていない。そのことが残念だね。あとはチームの問題だよ」

 ピットストップでの2周遅れが響いて完走13台中13位でフィニッシュしたバンドーンも、チーム全体の団結と開発のプッシュを切望した。

「トータルパッケージとして、僕らは明らかに前の集団と戦うペースではない。まだまだ彼らとの差は大きいから、開発をプッシュする必要がある。毎レースのようにアップデートをして、一歩ずつ前に進んでいく必要がある。次の中国GPでもクルマに新しいパーツが投入されて、ペースがよくなり、またさらに前進できることを願っているよ」

 現実を突きつけられ、車体もパワーユニットもお互いを責めるのではなく、むしろ互いに協力してプッシュし合ってこの苦境を脱していかなければならない。

 出力の向上はICEのさらなる開発が必要とされるだけに、すぐに出来上がるようなものではない。長谷川総責任者も、この現状に忸怩(じくじ)たる思いを抱えている。

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