「今年もダメ」説に反論。
テストでF1ホンダに起きたトラブルの真相 (4ページ目)
もちろん、失った時間は大きい。しかし、発生した問題自体は極めて単純なものだった。
2日目の朝一番にマシンが止まったのも見栄えが悪かったが、これもガソリンが足りず燃圧が落ちたというもの。つまり、ただのガス欠だった。
しかし、29周を走ったところで発生したトラブルは深刻なもののように見えた。
「戻ってくる途中に突然、パワーダウンしたということでした。テレメトリー上でも事前に何の兆候もなくて、ストフェル(・バンドーン)が『パワーがなくなった』と報告したのでデータを見たら、実際にパワーが落ちていたのでクルマをピットに戻しました。エンジン自体は回っていましたけど、気筒がいくつか死んでいました」
明らかにメカニカルな問題で、ICE(内燃機関エンジン)内部で何かが壊れていた。
このパワーユニットは日本のHRD Sakuraに送り返され、2日後には破損箇所を確認。まだ詳しい原因はわかっていないが、まったく同じ仕様のパワーユニットが3日間で111周(初日午後28周、2日目午後11周、3日目72周)も走行を続けている。長谷川総責任者は明言こそしないが、設計の根本に関わる問題ではなく、部品の製造不良や使用上のイレギュラーなものだったと考えているようだ。
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