8年ぶりの大改革。F1新レギュレーションで勢力図がガラッと変わる! (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ただし、開発を制限していたトークン制度が撤廃され、自由な開発が可能になる。これまではトークンを最大限に使っても、1年間に開発できるのが48%程度のパーツに限られていたため、大幅な設計刷新はできなかった。しかし、2014年の新規定導入以来、メルセデスAMGのパワーユニットが持つアドバンテージが今になっても揺るがないため、この制約を取っ払ってライバルメーカーたちに挽回のチャンスを与えようというわけだ。

 これによって2017年は、各メーカーともパワーユニットの構造まで含めた大幅な見直しをしている。あまりに複雑なパワーユニット規定ゆえ、見切り発車の面もあった2014年当時に比べると、各メーカーとも過去3年間の経験をもとにある程度の"正解"が見えてきており、今回の再設計でメーカー間の差はかなり縮まるとみられている。

 もちろん、開発が自由といっても「1年間に使えるパワーユニットは4基のみ」という規制は存在する。つまり、シーズンが開幕してしまえば、あとは残り3基の投入タイミングでしか設計変更を施した新パーツの投入はできない。開幕時点と残り3回、計4回のアップデートチャンスを最大限に生かしたメーカーが優位に立つことができるのだ。

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