8年ぶりの大改革。F1新レギュレーションで勢力図がガラッと変わる! (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 2017年はフロントウイングの先端がさらに前へ伸びるため、全長はさらに長くなる。つまり、車幅とタイヤ幅がワイド化されても、マシン全体として前後に長い印象はそれほど変わらないはずだ。それでも、ルックスが洗練されることは間違いない。

 もっと重要なのは、F1が速くなるということだ。

 前述のとおり、空力改訂によってダウンフォース量が増加することに加え、タイヤのグリップも増加する。これは、ワイド化で接地面積が増加することだけでなく、設計コンセプトそのものの刷新によるところが大きい。

 これまでピレリのタイヤは「グリップが低い」「脆(もろ)い」といった批判を浴びてきたが、これは2010年の供給開始以来、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)や運営側からの「性能低下が大きく、レースを面白くするタイヤを作ってほしい」という要望に応えてきた面が大きかった。

 しかし最近では、各チームがこうしたタイヤの特性を隅々まで把握し、レースでは攻め過ぎてタイヤを壊さないようにあえてペースを抑え、"手加減"して走るというような争いになっていた。こうした興ざめな事態にはドライバーたちからも不満の声が上がるほどで、彼らが全力でバトルを繰り広げる場面を望むファンのためにも、この事態を打開すべく、2017年は"アタック"できるタイヤへと生まれ変わるという。

2 / 8

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る