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F1ホンダ、鈴鹿で惨敗。
パワー不足はエンジンだけのせいなのか? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 レース後、長谷川総責任者は見ていて気の毒なほどに落胆し、失望し、事態を重く受け止めていた。

「クルマのパフォーマンスもそうですし、戦略もハマらず、順位も中身も本当にいいところがひとつもないレースだったと思います。なにもかもがうまくいかなかった。多少クルマが遅くても、戦略がハマってSC(セーフティカー)のタイミングが有利に働いたりだとか、アクシデントで前に出れば、レースは結果がすべてなのでそれはそれでいいと思うんです。でも、今日はそういうことも何もありませんでした」

 鈴鹿に詰めかけてくれたファンの人たちに申し訳ないという気持ちが、長谷川にはあった。

「実力が足りてないというのはもちろんわかっていますし、実力がない悔しさはシーズンのかなり前から痛感し、受け止めています。でも、その実力なりに結果を出すとか、レースを盛り上げたいと思っていたのに、それもできなかった。そういう残念な気持ちです」

 厳しいレースを走り終えたアロンソを、担当レースエンジニアのマーク・テンプルが「このタフなレースでも最後まであきらめず戦い続けた君は、真のサムライだ」と讃えた。しかし、生粋のレース屋である長谷川の見方はもっと厳しかった。

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