鈴鹿はいけるぞ!F1ホンダが日本GP前哨戦のダブル入賞に手応え
マレーシアGPを目前に控えた木曜日。クアラルンプール国際空港にほど近いセパンに姿を見せたホンダ・長谷川祐介F1総責任者の表情が険しかったのは、赤道直下の厳しい暑さのせいだけではなかった。
300戦目の記念レースでジェンソン・バトンは9位入賞 1週間後の日本GPに向けて、ここで新型パワーユニットを投入し、グリッド降格ペナルティを消化しておく――。そのための開発が、思うように仕上がらなかったからだ。
「正直言って、思っていたとおりにはアップデートできていません」
開口一番、長谷川総責任者は言った。
本来は出力アップの要であるICE(エンジン本体)の燃焼室を改良し、ベルギーGPに投入した「スペック3」から「スペック4」へと進化させるはずだった。しかし、その開発と信頼性確認が間に合わず、日本GPに向けた実質的な最終期限であるマレーシアGPには、小規模なアップデートしか投入することができなかったのだ。
「本来はもう少し大きな燃焼系の開発で馬力アップを狙っていたんですけど、それがうまくいかなくて、時間切れということでマイナーアップデートをここで投入することにしました」
ホンダ内では、今回の仕様を「スペック3.5」と呼んでいる。そこには、本来目指していた開発が達成できなかった、という悔しさと自戒の念が込められている。
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