鈴鹿はいけるぞ!F1ホンダが日本GP前哨戦のダブル入賞に手応え (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「本当は『4』って言いたいんですけど、本来目指していたものが入れられなかったので、『3.5』です」

 そう語る長谷川総責任者は、「(気持ち的には)『3.1』くらいの感じですね」と苦笑いするが、鈴鹿に向けて大きな進歩を目指していただけに、それに比べると『0.1』くらいの前進になってしまったというのが偽らざる本心なのだろう。

 事実、ホンダはエンジンブロックの改良に1トークン(※)、そして排気管の軽量化に1トークンの使用になると考え、FIAに改良内容を申請したが、FIAとの協議の結果、エンジンブロックは信頼性向上のための改良であると認められて、トークン使用は免除されたほどだった。信頼性が増した分、安心して攻めて使えるというメリットはあるものの、逆に言えば、FIAが「トークン不要」と判断するほどゲインはほとんどないということだ。

※パワーユニットの信頼性に問題があった場合、FIAに認められれば改良が許されるが、性能が向上するような改良・開発は認められていない。ただし、「トークン」と呼ばれるポイント制による特例開発だけが認められている。各メーカーは与えられた「トークン」の範囲内で開発箇所を選ぶことができる。

 むしろ、排気管のほうが予想以上の効果をもたらすことになった。従来型に比べて驚くほど軽く仕上がり、マクラーレン側が「こんなに軽くて大丈夫なのか?」と言ったほどだという。

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