3強に次ぐ7位に手応え。ホンダF1「逆襲の土台」は固まってきた (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「ここはパワーハングリー(出力がラップタイムに与える影響が大きい)なサーキットではありませんし、それによるところもあったと思いますが、それだけでもなかった。今回もまた、たくさん空力面のアップデートが入っていましたし、クルマの総合力として進化したからこそ、よい結果が出せたと思います。最近のアップデートの数はすごいですし、そこはマクラーレン側の努力もすごいと思いますね」

 しかしレース後、マクラーレン・ホンダのモーターホームでそう語りながら、長谷川総責任者の表情は曇りがちだった。

 もちろん、これまで目標としてきた中団グループのトップに立てたことは喜ばしいことだ。トロロッソのカルロス・サインツやウイリアムズのバルテリ・ボッタスを寄せつけず、むしろ引き離して単独走行でフィニッシュしたほどだったのだから。

 長谷川総責任者の心に重くのしかかったのは、バトン車にブレーキセンサーとオイル漏れのトラブルが発生して、最終的にはリタイアとなってダブル入賞を逃したこと。それに加え、トップ3チームとの間にある大きな差だ。

 首位ルイス・ハミルトンから1周遅れ、6位のキミ・ライコネンからも51周目に抜かれてから20周弱で43秒の大差をつけられた。誰にも邪魔されることなく実力を出し切ったからこそ、3強との差が歴然と目の前に突きつけられたのだ。

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