弱小チームにもテキサス魂あり。佐藤琢磨がインディ後半戦に手応え (5ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 序盤からコースで次々とオーバーテイクを実現、一時は8位にまで順位を上げていた(最終順位は17位)。ちなみに、テストで120周を走り込んだ同じホンダ勢のレイホールは、予選6位から3位フィニッシュと、すばらしい結果を残している。

 琢磨が今回上位フィニッシュを逃したのは、ピット・スピード制限違反のペナルティを2回も受けたからだが、それも琢磨のミスではなかった。

 ロード・アメリカのピットロードは上り坂、制限速度は時速50マイルだ。琢磨がピット入口前で44マイルまで減速したあと、上り坂によるスピードダウンをカバーしようとリミッターのボタンを押すと、コンピューターがエンジンを加速させ、50.1マイルが出てしまっていたというのだ。

 2回とも計測値は50.1マイル。それは彼らのコンピューター・セッティングが本当にギリギリまで攻めたもので、ある意味では“ほぼ正確”だったとも言える。インディカーが“お咎めナシ”とする50.05マイルになるよう設定がされていたからだ。

「今回、プラクティス3回目にして僕らのマシンは非常によくなった。走行1日目はどうなっちゃうことかと心配したほどだったけど……。僕らのチームはずっとロードコースを苦手にしてきた。しかし、今回は本当にいいマシン・セッティングを見つけることができたと思う。だから残りのロードレース3戦が楽しみだ。

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