ダブル入賞にだまされるな。モナコで露呈したホンダの厳しい現実 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ドライバーたちがこれほどまでに厳しい言葉を発したのは、モナコGPに寄せる期待が大きかったからだ。

 スロットル全開率が40%にも満たないモナコでは、パワー不足の影響が出にくい。マシン性能が優れていれば、あとはドライバーの頑張り次第で上位に浮上することもできるのだ。事実、レッドブルは予選でポールポジションを獲り、決勝でもピットストップでミスがなければ優勝していたはずだった。

 だから、「車体性能では、メルセデスAMGとレッドブルに次いで3番目」と公言してきたマクラーレン・ホンダのモナコGPに寄せる期待は大きかった。

 しかし、木曜日に走り始めてみれば、圧倒的にグリップが不足し、両ドライバーともにマシンのコントロールに手を焼いた。コースサイドで走りを見ていても、ガードレールに囲まれた小さなコーナーをスムーズに切り返していくレッドブルやメルセデスAMGとは違って、マクラーレン・ホンダのマシンはフロントの向きが変わらなかったり、リアが暴れたりと、その差は歴然としていた。

 1日オフとなる金曜日に「イチからセットアップをやり直した」というが、それでも症状は大きく改善はせず、予選ではマックス・フェルスタッペンがクラッシュしたことで、なんとかアロンソ1台がQ3に駒を進めることができた程度だった。

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