【F1】ホンダの新人バンドーン初入賞も、気がかりな総帥の口出し (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

バーレーンで今季初ポイントを獲得したマクラーレン・ホンダバーレーンで今季初ポイントを獲得したマクラーレン・ホンダ 結果、予選でQ2に進んだものの、バトンは2回目のアタックでフロントウイングのフラップを上げすぎ、「オーバーステアがひどくなってしまって、とても走れない」と14位に終わった。FP-3でオイル漏れの症状が出て走行時間をロスしたバンドーンのほうが、「セットアップをいじる時間がなくて、逆によかったかもしれない」と関係者が語るほどで、実際に予選12位とバトンを上回る結果を残した。

「テストもなく実戦に臨まなければならなかったわけで、難しい状況だったから、ミスを犯さずに週末を終えるということがもっとも大切なことだと思っていた」

 どんな混戦でも事故に巻き込まれることなく、気づけば順位を上げてくる。そんなGP2時代のレースを彷彿とさせるように、バンドーンは冷静なレース運びでスタート直後の混乱をすり抜け、タイヤも燃費もきちんとマネージメントして、57周のレースを走り切った。そして終わってみれば、10位入賞を果たしていた。

「週末の走り始めからこのクルマで心地よく走ることができたし、今日も何も失敗はなかった。スタートはうまくいったし、結果的についてきた1ポイントはよくやった週末のボーナスのようなものだと思っているけど、自分に与えられたチャンスを最大限に生かすことができたと思うよ」

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者も、「新人とは思えない素晴らしい走り。これだけ複雑な今のF1で、ほぼノーミスでこなしたのはすごいことです」と賞賛した。

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