ニューマシン走り始め。「メルセデスvs.フェラーリ」の軍配は? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 また、今回のテストでフェラーリに次ぐポジションにつけたフォースインディアの脅威もある。外観上は前年型とさほど変化していないように見える新車・VJM09だが、昨年ル・マン24時間レースで優勝したニコ・ヒュルケンベルグは、今季のF1でもさらに活躍できる手応えを掴んだようだ。

「変わっていないように見えるかもしれないけど、サイドポッド周辺は新しい手法が加えられてかなり変わっているし、カウルの下は昨年型と較べても随分と新しくなっている。メルボルンの開幕戦に向けてはまだ小さなアップデートが投入されることになるだろうし、なかなか勇気づけられる状況だと思う。去年のシーズン後半のコンペティティブ(競争的)さは維持できると思うし、もしかするとさらに上位に近づけるかもしれない」

 今季は、ピレリが"クリフ(崖)"と呼ばれる急激な性能低下を促進するようなタイヤに変更してきており、これをうまく使いこなすことが勝負の分かれ目になる。その点では、元ブリヂストンの松崎淳エンジニアを擁するフォースインディアは以前からタイヤの扱いに定評があり、さらなる番狂わせのチャンスにも恵まれるかもしれない。

 初回のテスト4日間が終わり、まだ世間には真のポテンシャルを見せていないメルセデスAMGだが、どうやら今年も彼らの速さと強さは続きそうだ。しかし、フェラーリをはじめとした他チームがそれにどこまで迫ることができるのか、それは4日間のインターバルを置いて行なわれる最後の開幕前テストを待たなければならない。

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