マクラーレン・ホンダのニューマシンは、中身が明らかに違う!
現地2月21日、2016年シーズンを戦うマクラーレン・ホンダのニューマシン「MP4-31」が発表されたが、ファンの間では期待よりもむしろ、失望の声のほうが多かった。なぜなら、MP4-31の外観は"失敗作"と断じざるを得ないほど無残な結果しか残すことができなかった昨年型マシンと、ほとんど大差のないものだったからだ。
開幕前公式テストで姿を見せたニューマシン「MP4-31」 たしかに、見た目はあまり変化がないように見える。しかし、中身は明らかに違う――。
翌2月22日、スペインのバルセロナでいよいよ開幕前公式テストが始まった。MP4-31もそこに持ち込まれ、ジェンソン・バトンがステアリングを握ってコースへと飛び出していった。
まずは、マシンが想定どおりの性能を発揮しているかどうかを確認するためのデータ収集作業に追われる。車体面でも、パワーユニット面でも、確認しなければならない項目は山のようにあった。
昨年の開幕前テストでは、主にパワーユニット関連のトラブルが続発して満足に走ることすらままならなかった。だが、今年は初日から順調に走行を重ねて、いきなり84周を走破してしまった。
「去年に比べれば、大きな進歩だね。84周なんて、去年は4日間のテスト全体でもこなせなかったんじゃない?(苦笑)」
1日の走行を終えてマシンを降りたバトンは、上機嫌でそう言った。
トップから約1.8秒差の6番手タイムだったが、まだタイムを競う段階ではないから、その順位に意味はない。とはいえ、昨年と違って少なくとも、ライバルたちと同等のレベルにあるということは大きい。
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