ニューマシン走り始め。「メルセデスvs.フェラーリ」の軍配は? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 タイムアタックを行なわず上位に名を連ねることはなかったものの、自分たちがどのくらいの速さを持っているかはもう把握できていると、ロズベルグは余裕を見せている。

「もちろん、フェラーリの速さには注目しているよ。でも、ウチのストラテジスト(戦略家)たちが他チームのタイムを分析しているし、自分たちが軽タンクで走ればどのくらいのタイムを出せるかもわかっているから、僕らが実際にはだいたいどのあたりにいるのかは把握しているつもりだ。クルマは速いし、このクルマに盛り込まれたイノベーション(技術革新)には感心しているよ」

 パドックでは、メルセデスAMGがこの驚異的な距離を「1基のパワーユニットで走破した」と言われている。車体全体で見ればいくつかパーツにトラブルが出たものの、「2000kmしか走らなければ壊れなかったものが、3000km走ったからこそ壊れて問題を見つけることができたんだ。これだけ走った意味はあるというものだよ」と、ロズベルグは満足げな表情を見せる。

 一方、強豪レッドブルは低速域での空力性能向上とメカニカル性能向上を図った新車・RB12で、さらなるポジションアップを狙っている。ただ、ある上級エンジニアは、「それ以外に足枷(あしかせ)となる要素があるため、それほど大きなポジションアップが果たせるとは考えていない」と、ルノー製パワーユニットの非力さが改善されていないことを暗に示した。

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