【F1】待望のホンダ優勝と日本人ドライバー登場はいつか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

2016年シーズン・10大注目ポイント@後編

 2016年、第4期ホンダは参戦2年目を迎える。日本人として、惨敗を喫した昨季と同じ光景はもう見たくない。勝利を願うファンの祈りは届くのか。そして、小林可夢偉以来となる新たな日本人ドライバーはいつ誕生するのか。2016年の見どころを整理してみた。

「10大注目ポイント@前編」はこちら>>>

現在もっともF1に近い日本人ドライバーと評される松下信治現在もっともF1に近い日本人ドライバーと評される松下信治(6)初開催・アゼルバイジャンは期待大。アメリカGPは開催危機?

 2016年は「年間21戦」が予定され、ついに史上最多レース数を更新することになる。新たにカレンダーに加わるのは、アゼルバイジャンのバクーで開催されるヨーロッパGP。バクー中心部の公道を使った市街地サーキットで、2013年にはFIA-GT選手権のレースが行なわれている。

 拡大路線のF1は、チケット収益が振るわない旧来のサーキットよりも、世界的PRをしたい新興国が政府レベルでテコ入れをして莫大な開催権料を支払う新規グランプリへと向かっていて、バクーもそのひとつ。この傾向には批判の声もあるが、新興グランプリは費用対効果を度外視した投資を行なって魅力を高めようとするケースも少なくなく、シンガポールGPやアブダビGP、メキシコGPのように成功につながることもある。資源国として急激な経済成長を遂げているアゼルバイジャンがどのようなグランプリを開催するのか、2016年の注目ポイントのひとつだ。

 その一方で、2012年から開催されてきたテキサス州オースティンのアメリカGPは開催危機に直面している。毎年10万人を超える観客で超満員となるが、地元政府からの支援がなければ主催者は開催権料の支払いができず、いまだ2016年の開催の見通しは立っていない。従来の10月から移動して、ヨーロッパラウンド前の5月1日に開催する予定のロシアGPも不安が囁(ささや)かれている。また、第2戦バーレーンGPもサウジアラビアを発端とする中東情勢の悪化があって、懸念される状況だ。

1 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る