小林可夢偉の思い。「F1にいたいんじゃない。レースがしたい」 (5ページ目)
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SFを戦ってわかった課題や、盛り上げるためのアイデアを披瀝(ひれき)してもらい、F1への率直な思いも聞いた。その上で、「今、楽しいですか?」という最後の質問に、可夢偉は「うん」と答えた。即答だった。
「僕は、F1にいたいんじゃなくて、レースがしたいんです」
可夢偉はそう言った。
どんなカテゴリーで、どんなレースをするのか。2016年が小林可夢偉にとってどんな1年になるか、それはまだわからない。しかし、彼がレーシングドライバーとして最高の走りを見せてくれることは間違いなさそうだ。
【profile】
小林可夢偉(こばやし・かむい)
1986年9月13日生まれ、兵庫県尼崎市出身。1996年にカートレースデビュー。2001年にフォーミュラ・トヨタレーシングスクールのスカラシップ生に選出され、2002年にヨーロッパカート選手権へ参戦。その後、フォーミュラトヨタ、フォーミュラルノーなどを経験し、2006年からF3ユーロシリーズにステップアップ。2008年からF1直下のカテゴリーであるGP2に戦いの舞台を移すと、2009年にはF1第16戦・ブラジルGPにトヨタのドライバーとして参戦。いきなり9位入賞の力走を見せると、続く第17戦・アブダビGPでは6位を獲得。これが評価され、2010年はザウバーのレギュラードライバーとしてフル参戦。2011年、2012年はザウバーで活躍。2012年の第15戦・日本GPでは3位表彰台を獲得した。2013年はF1シートを獲得できなかったが、2014年はケータハムと契約。2015年はスーパーフォーミュラに参戦してランキング6位。170センチ・63キロ。AB型。
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