【F1】ホンダ総責任者が明言。「後半戦はすごいですよ」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 八郷新社長もこうした状況をきちんと理解し、目先の結果にとらわれていない。自身も技術者であり、新井とは研究所でともに働いてきた旧知の仲だけに、ホンダのF1活動に対する理解は深い。

「そりゃ社長がいらっしゃったタイミングで良い成績が出せれば、それに越したことはないです。でも、結果に一喜一憂する部分もあれば、長い目で見なきゃいけない部分もある。社長も研究技術畑を歩いてきた人ですから、そこは理解して頂けていると思っていますし、目先の結果だけでどうこう言うようなことはないでしょう。今日のレースだけ見て方針が変わるようなら、そもそもF1をやらせてもらえていないでしょうし、現場に来たりしないですよ(苦笑)」(新井)

 結局、オーストリアGPはアロンソが1周目でリタイア。バトンはパワーユニット吸気系のセンサーが異常値を示したために、8周目でクルマを止めた――。

 マクラーレン・ホンダにとって、失望の結果になってしまった決勝レースの約5時間後。あたりが薄暗くなった午後9時前になっても、マクラーレンのピットガレージでは作業が続き、ピットガレージ中央に新しいモノコックが据えられた。23日火曜日から、ここオーストリアで2日間のテストが行なわれるのだ。

「今回のテストは非常に重要です。バルセロナのテストでもいいデータを取ることができてクルマが良くなりましたし、あれぐらい長い距離を走るとクルマの熟成が進むんです。イギリスGP、ハンガリーGPに向けてしっかり準備をしたい」

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