【F1】いよいよ欧州ラウンド。マクラーレン・ホンダの秘策は? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 しかし、彼らは立ち止まっているわけではない。

「制御ソフトウェア面の改良はもちろんのこと、点火プラグやオイル、ガソリンといった消耗品もそうですが、トークン以外のアップデートはいつでも投入することができます。どのチームも毎戦何らかの開発はやっていると思います」(新井)

 一部では、ホンダのパワーユニットはICEの燃焼系に問題があり、想定どおりの性能が発揮できていないと言われている。目下、栃木の研究所「R&D Sakura」では、新たな単気筒モデルによるベンチテストも行なわれているという。一朝一夕に性能を向上させるのは難しいかもしれないが、研究開発が実を結ぶであろうシーズン後半戦に目覚ましい進歩が期待できるかもしれない。

 もちろん、パワーユニットだけでなく車体面の改良も続けられている。開幕してから空力面のアップデートが毎戦持ち込まれており、スペインGPにはさらに大きなアップデートが投入されるはずだ。

「我々はレースごとに少しずつ前進してきました。秘密兵器なんてないし、一気に大きく前進というのは難しいかもしれない。だけど、次のスペインでもさらに良いものを持っていきたいと思っています。確実に、一歩ずつ前に進みます」

 バーレーンGPから2週間のインターバルを終えて、新井は言った。

「さぁ、バルセロナへ行きます。エンジンを背負って行かないと!」

 直前まで開発を続けたパワーユニットを引っさげて、2015年のマクラーレン・ホンダの第二章が始まる。

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