【F1】いよいよ欧州ラウンド。マクラーレン・ホンダの秘策は? (4ページ目)
この「トークン」を使って開発したアップデートが、スペインGPに投入されることをチーム側は期待していたようだが、新井は慎重な姿勢を見せている。
「スペインGPに間に合うものは入れようとしています。ただし、それは前から準備をしていて、長いスパンで開発を続けてきているもの。ひとつのものを『これでOK』と確認できるところまで完成させるのに数カ月はかかります。今入れられるものもいくつかあるわけですが、それをスペインGPで投入するかどうかはまだハッキリ決まっていません。たとえば、開発をしているネタが10個あるなかで、完成しているものがひとつしかないとしたら、かなり迷いますよね。決断はスペインGPの直前になると思います」
早期のアップデート投入には信頼性の不安もある。
「トークンを使うアップデートとなると、ハードウェア的に大幅に変更するわけで、そうすると信頼性の問題がついてくるわけです。中途半端なものを入れてパワーユニットもレースも失ってしまっては意味がありません。今シーズンここまで、信頼性で苦しんでいますから、そこの部分を見極めてから投入しなければならないと思っています」
スペインGP後には2日間のテストが予定されており、「できれば実走テストをやって、ちゃんと確認をしてから、というのが我々の気持ち」だと新井は吐露した。スペインの次のモナコGPは超低速サーキットで、パワーユニットの性能差が出にくいだけに、急いでアップデートを投入する意味はあまりない。となれば、ホンダの大型アップデートはさらに先ということになる。
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