F1に乗れない小林可夢偉の2015年。「今、やりたいことがある」 (3ページ目)
SFは、かつてF1ドライバーを多く輩出した全日本F3000選手権を前身としている。しかし、SFに移行したころから人気は低迷し、サーキットに閑古鳥が鳴くようになった。どうしてそうなってしまったのか。「問題点はたくさんある」と前置きしたうえで、可夢偉は一例を挙げた。
スーパーフォーミュラのチームルマンから参戦する小林可夢偉「フリー走行が1時間しかないんです。お客さんがせっかくサーキットに見に来てくれてるのに、わざわざ走らせないのはなんでなんか、僕には意味が分からなかったんです。見てもらえるチャンスなんやから、走らせるべきやと思うでしょ? それはなんでかっていうと、予算の問題やったりするんです。でも、走らせるための予算がないっていうんやったら、その予算をなんとかして見つけることを考えるべき。それに、走ってない時間に(ファンのための)イベントもやっていないわけです。改善すべき点はたくさんあると思います」
SFの運営に関わる人々の腰は重い。自動車メーカーが関与して初めて成り立つモータースポーツだけに、メーカーの意向に左右される部分も多々ある。それでも、主催者であるJRP(日本レースプロモーション)やトヨタ、ホンダを中心として、可夢偉の参戦をきっかけに盛り上げようという気運は高まっている。
「正直、やるべきことはひとつだけじゃなくて、ものすごくたくさんのことをやらないといけない。でも、いきなり全部やるというのも難しいと思うし、少しずつやっていくしかないなと思います。『これが足りない』とかいうレベルではなく、足りないところだらけだと思うんですよね。システムとして改善しなきゃいけない部分もたくさんあるし、僕が入っていけない部分もある。
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