2013.10.08

【F1】盛況?ガラガラ?現地発、韓国GPの実態レポート

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 初年度はソウルからクルマで移動したチーム関係者が多く、そのせいでアクセスが悪いという印象になった。しかし今では、木浦郊外の務安(ムアン)空港まで飛行機を乗り継ぐケースも増え、ネガティブな印象はほぼ払拭されている。今年は、務安空港から名古屋セントレア空港へチャーター便を利用して鈴鹿へ移動するチームも多い。

 次に、宿泊施設についてだが、サーキット周辺のホテルは数軒で、F1ドライバーやチーム首脳陣、VIPゲストなどは全羅南道で唯一の「特1級」というホテル・ヒュンダイに宿泊している。それ以外のスタッフや関係者は、サーキットから車で30分の木浦の街に投宿するが、木浦で宿泊に利用されているのは主にラブホテルだ。しかし、これは日本のそれとは似ても似つかないもの。アメリカのモーテルに近く、ホテルの少ない韓国では、こうしたモーテルを宿泊施設として利用することが多いので、いかがわしい雰囲気もなく、広さも十分で快適だ。

 実は、これはシンガポールでも同じだ。ナイトレースできらびやかなイメージのシンガポールGPだが、レースウィークのホテルの価格は通常の3倍くらいまで高騰する。この期間中、街中の宿泊施設のうち、1泊1万円程度で泊まれるのはラブホテルくらいのもので、グレードは韓国のそれより数段落ちる。

 韓国GPの場合、主催者を通してオフィシャルホテルを予約すると1泊8500円ほど。自力で探して予約すれば1泊500円ほどで泊まれる宿もある。初年度こそ、”ラブホテル”というフレーズに各国のチーム関係者は度肝を抜かれたが、実際に泊まってみると特に問題はなく、今では不満の声は聞こえてこないのが実状だ。

 もちろん、こうした宿泊施設を利用せずに、サーキットから車で45分ほどの光州(クワンジュ)のホテルに宿泊するチームもあり、1泊2万5000円という驚くほどの値段以外に大きな問題はない。

■開催継続へクリアすべき課題も

 サーキットのスタッフが運営に不慣れな面はある。コリア・インターナショナル・サーキットは、普段イベントの開催がほとんどなく、韓国GP開催に合わせて臨時スタッフが集められる。その大半は、英語が話せることを優先して選ばれた人たちだ。

 そのため、サーキット近隣の大学生が多く、マーシャル活動(※)の経験不足やイベント運営・管理に不慣れなのは、開催4年目の現時点ではある程度仕方のないことだ。
※コースサイドでの事故処理や、旗・信号によるドライバーへの警告、消火活動などレース運営に必要とされる実務

 マーシャル活動についてはCAMS(オーストラリア・モータースポーツ連合)からF1でマーシャル経験のあるスタッフが韓国にも派遣され、指導にあたっている。これはシンガポールGPやマレーシアGPなどの開催初期と同様で、こうして世界各国のマーシャルの質は向上していっているのだ。

 なお、今回のレースでマシンがクラッシュして炎上したとき、「二酸化炭素消火器」ではなく、メカニカル部品に悪影響を与えうる「粉末式消火器」が使用されたことに対して、ある国のTV解説者がマーシャルの対応に苦言を呈したというが、使用機材はFIA(国際自動車連盟)が承認・管理するものであって、現場のスタッフを非難するのは筋違いだろう。