【F1】モナコGPを制したチーム、メルセデスに重大な疑惑発生

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 シーズンで最も華やかなモナコGPは、ニコ・ロズベルグとメルセデスAMGの圧勝で幕を閉じた。度重なるクラッシュによるセーフティカーや赤旗中断に惑わされることなく、ロズベルグは最後まで一度も首位を明け渡すことなくトップでチェッカーを受けた。

 しかし、その頃、パドックではまったく別の話題がメルセデスAMGの周囲を騒がせていた。前戦スペインGPの直後、メルセデスが3日間にわたって1000kmもの極秘タイヤテストを行なっていた事実が判明したからだ。シーズン中のテストは禁止されており、他チームが一斉に非難の声を上げた。

伝統のモナコGPを制したのはニコ・ロズベルグ(先頭)。父、ケケ・ロズベルグもモナコウィナーであり親子2代での優勝となった伝統のモナコGPを制したのはニコ・ロズベルグ(先頭)。父、ケケ・ロズベルグもモナコウィナーであり親子2代での優勝となった ロズベルグは第4戦バーレーンGPから3戦連続となるポールポジションをモナコで獲得したが、これまでの2戦は、予選で圧倒的な速さを見せつけながらも決勝でズルズルと後退する展開ばかりだった。そのメルセデスAMGがモナコでは見違えるような走りを披露したのだから、疑惑はより強まった。

 F1では現在、コスト削減の観点からテストは年間15日間までとされており、若手ドライバーのテストなど一部の例外を除いてシーズン中のテストは禁止されている。そんな状況だからこそ、3レース分以上にあたる1000kmのテストがいかに貴重なものであるかが分かるだろう。

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