【F1】混戦確定?全チームがタイヤを使いこなせないままテスト終了 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 シーズン最初のヘレステストでは、初日から速さを見せたマクラーレンだが、その後のテストではマシンが想定外の反応を示すこともあって、最後まで独自のデータ収集を続けており、実力は見せていない。しかし2011年には開幕前の大不振からぶっつけ本番のアップデートで挽回した実績もあるだけに、こちらもトップ争いに加わる可能性は十分ある。

 また、マクラーレンだけでなく、レッドブルもフェラーリも開幕戦にはアップデートしたパーツの投入を予定している。メルセデスは開発を前倒しすべく努力しているが、新パーツ投入は第3戦中国GPになる予定だ。各チームが、テストデータの分析によるセットアップの煮詰め作業をまだ続けており、真の勢力図は開幕戦を迎えてみなければ分からない。

「どのチームも、まだタイヤについて学ばなければならないことが山積みだ。タイヤの性能とデグラデーション(性能低下)が決定的な要素になるだろう。半公道サーキットのメルボルンの、暖かいコンディションでタイヤがどんな反応を見せるか、楽しみだ」(フェラーリ、パット・フライ)

 2013年のF1は、ピレリタイヤという未知数の要素を抱えたまま、2週間後、オーストラリアのメルボルンで開幕を迎える。その未知数の幅が大きければ大きいほど、レースは予想外の展開になりそうだ。

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