【F1】「自分の運を自ら生み出す」。最終戦でベッテルが見せた王者の貫祿 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 こうして、ベッテルは史上最年少となる3度目のタイトルを決めた。数々の苦難を乗り越えて頂点に立ったことで、彼はまたさらに成長を遂げた。

「今年は開幕から7戦で7人の勝者が生まれ、誰にもアップダウンがあった。ものすごい接戦で、タフなシーズンだった。でも、どの瞬間、どの結果もチャンピオンシップに直結しているんだと僕はわかっていた。最も重要なのは、シーズンを通してプッシュし続け、自分たちを見失わなかったことだ。惑わそうとする人たちもいたけど、僕らはそれに惑わされることなく進むべき道を邁進した。大切なのは、自分たちを信じ続けることだと思っていたんだ」

 長かった2012年シーズンは終わり、F1は束の間の休息に入る。しかし、すでに各チームのファクトリーでは来季に向けたマシン開発がフルスロットルで進められ、来年2月上旬には新車のテストが始まる。F1ドライバー、F1チームの面々はまた新たなスタートラインに立つのだ。

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