2012.12.11

【F1】3連覇達成。レッドブルはなぜ短期間で強くなったのか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

今季も優勝はレッドブル。コンストラクターズとドライバーズの両部門で3連覇を達成した 激動の2012年シーズンを制したのは、王者レッドブルとセバスチャン・ベッテルだった。彼らにとってはこれで3年連続のドライバーズとコンストラクターズの両タイトル制覇となった。コンストラクターズ3連覇を成し遂げたチームは、他に3つしかない。フェラーリ、マクラーレン、ウイリアムズという名門チームだけだ。

「3年連続のコンストラクターズタイトル獲得は格別だね。我々チーム全員の努力の証だよ。これを成し遂げたのが他に3チームしかないことを考えれば、我々も一流チームと言っていいんじゃないかな」

 そう語るクリスチャン・ホーナー代表は、まだ39歳の若さ。この若さこそが、レッドブル躍進の原動力だったといえる。

 レッドブル・レーシングは、エナジードリンクで世界的成功を収めたレッドブル社がフォードからジャガー・レーシングを買収するかたちで2005年にF1参戦を開始した。以来、チームを率いてきたのが若き代表ホーナーだ。彼は元レーシングドライバーであり、F1直下にあたるGP2のチーム代表として成功を収めていた人物だった。

 ジャガーは自動車メーカーのワークスチームでありながら成績低迷が続いており、初年度の2005年はジャガーが開発したマシンをそのまま引き継いでの参戦で、苦戦を強いられた(コンストラクターズランキング7位)。独自設計のマシンを投入した2年目は、アグレッシブな基本設計が誤った方向に進みさらに低迷(同7位)。マシンに巨大な自社ロゴを貼り付け、派手なPR活動にばかり注目が集まった当初は、F1参戦自体がレッドブルの気まぐれかお遊び程度に思われていた。

 しかし、彼らは本気だった。「やるからには勝利を」と莫大な予算を投入し、ウイリアムズやマクラーレンで辣腕を振るってきた天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイを獲得した。そして彼のもとで人材補強を進め、チーム組織改革を断行したのだ。