2012.10.08

【F1】有言実行。
可夢偉とチームが失敗から学んでつかんだ日本GP表彰台

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

鈴鹿サーキットで開催された日本GPで3位表彰台を獲得した可夢偉 小林可夢偉がついに、日本GPで3位表彰台に立った。日本人ドライバーとして、地元GPで表彰台を獲得するのは1990年の鈴木亜久里以来、実に22年ぶりとなった。

 これまで何度も目の前にちらついては消えていった表彰台を、可夢偉は実力でもぎ取った。

「母国の大観衆の前で表彰台に立てて、最高の気分でした。言葉で言い表すのは難しいですけど、とにかく素晴らしい気分でした。夢じゃないですよ、多分これは運命ですよ。レース前に冗談を言っていたんです。ここまで何度もチャンスがありながら、不運でそれがつかめなくて、でもこのレースでは表彰台が獲れるんじゃないかって。それが運命なんじゃないかってね」

 鈴鹿では表彰台に立つ。可夢偉はかねてからそう宣言してきた。空力に優れたザウバーのマシンが鈴鹿に合っていること、そしてここに最新のマシンアップデートを投入することが、その理由だった。

 そしてその言葉どおり、可夢偉は表彰台に立った。

 だがそれは条件が揃ったからといって易々と果たされたわけではなく、可夢偉とチームが最高のレースを成し遂げた結果だ。

 チームメイトのセルジオ・ペレスはすでに3度の表彰台を経験している。しかし、今回の可夢偉の表彰台は、それとはまったくの別物だ。ペレスがいずれもギャンブル的な戦略を成功させて表彰台を得たのに対し、鈴鹿の可夢偉は上位勢と同じ戦略で対等に渡り合い、実力で彼らを下して表彰台に上ったのだ。

 実は、フリー走行初日のマシンの状態は決して良くはなかった。今回ここで投入した新パーツがうまく使い切れず、思っていたような性能が引き出せていなかったのだ。