【F1】歓喜の予選と失意の決勝。
可夢偉が味わった「ベルギーの悲劇」
予選2位も決勝はクラッシュに巻き込まれ13位と不運に泣いた小林可夢偉
1コーナーまでの距離は、およそ250m。そこに限りなく近い1列目の2番グリッドに、小林可夢偉がついた。
ベルギーGPが行なわれるスパ・フランコルシャンは、マシンの空力性能がものをいう高速コーナーが多く、ザウバーは自分たちのマシンがここに合っていると自信を持って臨んだ。同じような特性を持ったシルバーストン(イギリスGP)やバルセロナ(スペインGP)で好走を見せたことも、その裏付けのひとつだった。
そして実際に、それが現実となったのだ。
金曜が雨に見舞われてしまったことで、どのチームも実質的な準備作業は土曜午前に行われるフリー走行の1時間のみで予選に臨まなければならなくなった。
フリー走行では好調で4番手につけた可夢偉だが、予選が始まるとすぐにマシンの異変に気付いた。
「もう少し良くなればと思って欲をかいて予選までにセッティングをいじったら、悪い方向にいっちゃって。遅くなったというより、乗りにくくなったという感じで。ウイングやデフの調整ではどうにもならなくてQ1やQ2では苦戦したんで、あとは運転でどうにかするしかないと思っていきました」
Q3最後のタイムアタックで、可夢偉は勘違いをしていた。
午前中のタイムを間違えて覚えており、セクター1を通過してスプリットタイムを見た瞬間に、大きなタイムアップをしていないと勘違いしたのだ。
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