【F1】可夢偉、またしても不発。2位表彰台のチームメイトとの違いはどこにあったのか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

イタリアGPは8番グリッドからスタートしたが、9位に終わった可夢偉イタリアGPは8番グリッドからスタートしたが、9位に終わった可夢偉
 またしてもチームメイトが表彰台に上り、小林可夢偉は浮上のきっかけがつかめないまま9位完走に終わった。ヨーロッパラウンド最後のレースとなるイタリアGPは、日本のファンにとって失意の結果となってしまった。

 長いストレートとわずかなコーナーだけで構成されるモンツァ・サーキットは、ザウバーにとって鬼門だった。

 エンジンパワーがないため最高速が伸びず、ストレートで大きくタイムロスをする。さらに可夢偉は初日にトラブルで走行時間を失い、マシンセットアップが不充分なままで予選に臨まざるを得なかった。事実、予選でもマシンのフィーリングは「走れる範囲の中やけど散々な状態」。

 そんな苦しい状況下であるにもかかわらず、前走車のスリップストリームを使い、渾身のタイムアタックでQ3に進出したのは、可夢偉の力によるところが大きかった。

「ここは1周をまとめるのが難しくて、予選まで1度もまとめ切れてなかったんです。まとめるためには、ブレーキング、アクセルのシビアさ、縁石の乗り方、全部が必要で、どこのサーキットよりも難しい。僕みたいに『まぁええやろ』って(直感的に勢いで)バンッていく性格の人には難しいんです(苦笑)」

 チームメイトのセルジオ・ペレスも、予選で苦戦して13位に沈んだ。

「前のマシンに近づきすぎてダウンフォースを失って、おかげでいいアタックが決められなくてQ3に進めなかった。ただ、トップ10には行けてもそれ以上は無理だっただろうけどね。予選アタックでは少なくともトップ5を狙えるような速さはなかった」(ペレス)

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