【F1】前半戦総括。混戦を抜け出す最速チームはどこか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「僕らはいつだって勝とうとしている。予選が良くなくて決勝で速さを出し切れていないけど、いつも僕らはレースペースが良い。その改善努力を続けていけば、いつか優勝の瞬間はやってくると信じているよ」(キミ・ライコネン)

 その下にフェラーリ、ウイリアムズ、メルセデス、フォースインディア、ザウバーがほぼ横並びでいる。

 小林可夢偉がいるザウバーについても言えることだが、この中団グループの順位は、コース特性やマシンセットアップ、レースマネジメントの善し悪しによって決まり、さらには3強チームを食うことも少なくないというのが今のF1の勢力図だ。

 そこで重要になるのが、これまでにも繰り返し伝えてきたように、トップチームと真っ向勝負で渡り合うだけの「チーム力」だ。その点に優れるフェラーリはすでに3勝を挙げ、ウイリアムズも勝利をものにしているが、BMW撤退後にチームが再編されたがゆえに経験が浅いザウバーなどは、苦戦している。

「チームランキング6位というのは、我々のチーム規模を考えれば充分に満足できる結果だ。しかし、今年の我々のマシン性能を考えれば、まだまだ上を目指すことができる。我々はまだ成長の途上にある」(ジャンパオロ・ダラーラ/ザウバーのレースエンジニアリング責任者)

 ドライバー、マシン、レースマネジメント。金曜から日曜までの3日間で、そのすべてをいかに高いレベルでまとめ上げることができるかが、レースの結果を決める。マシン性能差が極端に小さくなった今季のF1は、とりわけレース運営面の精度がものをいう。

 1カ月間の夏休みを経て進化した各チームの後半戦のバトルは、さらに激しいものになるだろう。

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