【競馬予想】万馬券が続出のアイビスSDで注目すべき血統は? 芝1000mを駆け抜けそうな2頭をチェック (2ページ目)
今回、出走するアジアエクスプレス産駒は1頭で、それがピューロマジック(牝4歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。
今回が初の新潟コース、初の芝1000mとなるが、日本開催のレースでは10戦連続で逃げているように、スピードは現役馬のなかで間違いなくトップクラス。1200mの持ちタイムも1分07秒1と速く、昨年のGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)で記録した1000m通過タイムは54秒7と、昨年のアイビスSDの勝ちタイム55秒3より0.6秒も速い。距離短縮も大きなプラス材料となるはずだ。
前走はドバイに遠征し、GⅠアルクオーツスプリント(芝1200m)に出走。ハナは奪えなかったが、ゴール前では目立った脚いろで伸びて5着に入るなど、まずまずの競馬だった。陣営も遠征を経験しての成長を感じているようで、逃げなくても競馬ができるという戦法の幅が広がったのも大きい。人気サイドにはなりそうだが、血統からも能力からも今回は中心に見たい。
【ビッグアーサー産駒のスプリント力にも注目】
もう1頭はブーケファロス(牡5歳、美浦・清水英克厩舎)を推す。同馬の父はGⅠ高松宮記念(中京・芝1200m)を勝ったビッグアーサーというスプリンターの血統。ビッグアーサー産駒も、この新潟・芝1000mは26戦4勝、勝率15.4%と好成績で、ブーケファロス自身も3戦して昨年の駿風Sを勝利している。
その勝利後は不振が続いていたが、前走のOP安達太良S(福島・芝1200m)では2着と好走。オープン昇格後初めての馬券圏内で、レースを重ねた経験がようやく実になった感がある。激走に期待しよう。
以上、今年のアイビスサマーダッシュは、アジアエクスプレス産駒ピューロマジック、ビッグアーサー産駒ブーケファロスの2頭に期待する。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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