【競馬予想】宝塚記念、不安要素を抱えるレガレイラはグランプリ秋春連覇を果たせる状態にあるのか (2ページ目)
それにしても、これほどの馬がホープフルSを勝ったあと、4戦も馬券に絡めずに足踏みしてしまったのはなぜか。とりわけ、いずれも1番人気に推されて挑んだ牝馬限定戦のローズSとエリザベス女王杯での凡走には疑問が残る。
「(その頃はまだ)完成度が低かったんです」
そう語るのは、関西の競馬専門紙記者だ。
完成度の低さとは、主に馬体。特に「トモ」と言われる後躯にあったという。専門紙記者が続ける。
「当時はそこ(後躯)に、筋肉がつききっていなかった。いわゆる、競馬用語で言う『トモが甘い』状態にあって、それがずっと解消されていなかったんです」
「トモが甘い」馬は後肢の蹴る力が弱いゆえ、スタートでの出遅れが目立つ。レガレイラもその課題を抱えていて、ローズSではスタート直後からポツンと最後方に置かれた。エリザベス女王杯では五分のスタートを切りながらダッシュがつかず、左右の馬に挟まれる不利を受けて中団の位置へと追いやられた。
牝馬同士の争いとはいえ、トップレベルが集まるレース。スタート後にこういったハンデを負っては、さすがに挽回するのは難しい。それぞれのレースで、勝ち負けを演じるまでいかなかったことは致し方ないことかもしれない。
それでも、エリザベス女王杯の頃にはその弱点にも改善の兆しが見られ、馬体も完成の域に近づいてきていた。そして、絶好のタイミングで迎えたのが、有馬記念だった。
勝因は、何よりスタートをまともに切れたこと。普通にゲートを出て好位で運ぶことができれば、レガレイラはこんなにも強い、というのを存分に見せつけた。
となれば、本来ならここでもレガレイラは最有力候補として、断然の存在だったはずだ。が、好事魔多し。有馬記念快勝後、右前脚の剥離骨折が判明。全治3カ月と、そこまで深刻なケガではなかったが、競走馬として上昇気流に乗りかけたところで手痛いアクシデントに見舞われた。
「(有馬記念を勝って)やっと馬がよくなりかけた時ですからね。そんな時期に、骨折で半年も休まざるを得ないというのは、本当に痛かったと思います。しかも、牝馬は繊細ですからね。そうやって上昇気流に水を差されたりすると、とたんにやる気をなくしたり、立ち直れなくなってしまったりする馬がよくいますから。
宝塚記念でのポイントもそこ。レガレイラが好走できるかどうかは、彼女の状態次第。有馬記念の時と同様の状態にあるかどうか、でしょう」(専門紙記者)
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