【競馬・有馬記念予想】ドウデュースは有終の美を飾ることができるか? 現役最強馬が抱える唯一の不安
前走のジャパンカップでも圧巻の強さを見せたドウデュース photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る ドウデュース(牡5歳)は現役最強の競走馬だが、決して優等生ではない。
それは、ここまでの成績が証明している。
2歳時はデビュー3連勝でGI制覇といった"エリート感"のある快進撃を見せたものの、3歳になって以降は、ここ2戦こそ圧倒的な強さを見せつけているが、ずっと連勝することはなかった。しかも、人気を背負いながら、あえなく馬券圏外に沈んでしまうことも多々あった。
このあたりは、同世代の歴史的名馬イクイノックスと比べると、明らかにキャラが違う。イクイノックスは競馬っぷりに安定感があり、本格化してからは圧巻のGI6連勝。"負けない王者"として世界の頂点にも立った。
ともあれ、そのイクイノックスに、生涯2度しかない敗戦のひとつを、GI日本ダービー(東京・芝2400m)で味わわせたのは、ドウデュースだ。昨年のGI有馬記念(中山・芝2500m)もそうだが、"ここぞ"という大一番では、呆れるぐらいの強さを見せて勝ってしまうのである。
そんな、危うさを秘める"ヒーロー"キャラを形作っているのは、あまりにも個性的というか、荒っぽいレースぶりである。
道中は後方に待機して、4コーナー手前から大外をぶん回して直線で豪快に追い込む。必勝パターンは、このひとつ。それゆえ、ときに強いが、ときに脆い。
だがこの秋、これまでの不安定さを一切見せることなく、2歳時以来となる連勝を飾った。それも、天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)とジャパンカップ(11月24日/東京・芝2400m)という、日本のGIのなかでもトップクラスに位置づけられるGI2戦で、だ。
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