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【競馬予想】チャンピオンズカップでレモンポップは有終の美を飾ることができるか? (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

 ただし、それはあくまでも昨年のこと。「昨年もこなしたらから」という理由で、今年も"こなせる"とは限らない。

 そこに、競走能力の問題が絡んでくる。先述の専門紙記者が言う。

「昨年の今頃、レモンポップは競走馬としてまさにピークの状態にありました。ゆえに、本質的には長い1800mのGIも勝つことができました。

 でも、その時と比較して今の状態はどうか? すでにピークはすぎていて、普通に考えれば、下がることはあっても、上がることはない、と見ています。そういった状態にあって、それでも勝てるのか、距離をこなせるのか、ということですよ」

 確かに昨秋のレモンポップは絶頂期と言える状態にあった。圧巻だったのは、10月の南部杯だ。レモンポップは、1分33秒8という芝のレース並みの勝ち時計をマーク。2着馬に2秒もの差をつける、記録的な"大差"で圧勝した。

 この余勢を駆って、課題とされた距離1800mを克服してチャンピオンズカップも勝った。

 昨年同様、今年も南部杯を勝ってチャンピオンズカップへ、という臨戦過程は同じ。だが、そこに昨年ほどの勢いがあるかどうか。

 南部杯を勝ったことに変わりはないが、勝ち時計は昨年よりもおよそ2秒遅い。2着馬との着差も今年はわずか4分の3馬身差だった。

 無論、相手や馬場状態が違うため、単純比較はできない。だとしても、他馬の陣営が「手がつけられないほど強い」と呆れたほどの強さは、今年は感じられなかった。

 現状の出来でも、得意の1400m戦や1600m戦なら勝ち負け必至と見るべき存在であることは間違いない。しかし、強敵相手の1800m戦となると、さすがに疑問符がつく。

 ともあれ、レモンポップへの"追い風"がないわけではない。

「出足の速さから、単騎逃げが見込める点です。加えて、舞台が中京コースであること。同コースはコーナーがきつく、追い込みが利きにくい。要は、逃げ・先行有利の舞台ということです。これらのアドバンテージをうまく生かすことができれば、有終の美を飾るシーンがあっても不思議ではありません」(競馬専門紙)

 レース終了後には、そのまま中京競馬場で引退式が行なわれるレモンポップ。チャンピオンズカップで競走生活の掉尾を飾ることができるのか。注目である。

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