激流必至のセントウルS 馬場と展開を味方にできる「キレ者」2頭が高配当を演出か (2ページ目)
抜群のスタートセンスによって、もともとは快速を売りにしていた同馬ですが、長く陥っていたスランプから脱したのは、差す競馬をマスターしてから。牝馬は、一度調子を落としてしまうと復活するのは困難なのですが、この馬は長いトンネルから脱しただけでなく、新たなスタイルを身につけての復活を果たしたのですから、頭が下がります」
3歳時には、GIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)、GIII葵S(京都・芝1200m)を逃げて快勝したモズメイメイだが、以降古馬との対戦となるレースでは、そのスタートを生かせずじまい。6戦連続でふた桁着順での大敗となった。
しかし脚質転換を図ると、2走前の北九州記念で3着と好走。前走のGIIIアイビスサマーダッシュ(7月28日/新潟・芝1000m)でもゴール前で鋭く伸びて、久しぶりの重賞勝利を飾った。
「差し有利の馬場は、今のモズメイメイにはぴったり。加えて、陣営が『心身ともにバランスがよくなった』と話すように、再び充実期に入ってきた感があります。まだ奥がありそうですし、相手強化でも楽しみな一戦です」
セントウルSでの一発が期待されるトゥラヴェスーラ photo by Eiichi Yamane/AFLOこの記事に関連する写真を見る 大野記者が推奨するもう1頭は、コース実績のある超ベテランだ。
「トゥラヴェスーラ(牡9歳)です。9歳という高齢を考えると、大きな上積みを見込むのは難しいかもしれませんが、近走ではどちらかと言えば、前残りの展開と馬場に泣かされた印象があります。
前走の北九州記念(13着)もそう。ピューロマジックが開幕週の小倉でスピードを生かして逃げきるという、先行有利の展開でした。言うまでもなく、本来の力は出しきれていません。
しかし今回は、馬場も、展開も差し有利。加えて、中京の6ハロン戦という舞台も悪くありません。昨年のGI高松宮記念でも、不良馬場を内から猛然と追い込んで3着入線を果たしました。
今の馬場なら、少々のリスクがあっても大外に持ち出すことができれば、最後は豪脚を発揮してくれるはず。大ベテランの激走に期待が膨らみます」
ハイペース必至のセントウルS。その激流を味方にして、最後に突っ込んでくるのはどの馬か。それが、ここに名前の挙がった2頭であっても不思議ではない。
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