オークス有力馬の強みがわかる「3歳牝馬ランキング」本命ステレンボッシュを脅かす存在はいるか? (2ページ目)

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この記事に関連する写真を見る アスコリピチェーノがクラシック戦線から離脱したため、同馬が1位の座に君臨し続けていたランキングは大きく変動した。まず、アスコリピチェーノに代わって首位に立ったのは、ステレンボッシュ。桜花賞で、その2歳女王を退けて戴冠を遂げたのだから、当然の結果か。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日/阪神・芝1600m)と桜花賞は、ともに1分32秒台の高速決着。絶対的なスピードは天性のもので、速い時計の出る舞台で好走できる馬は限られています。そして、今年の3歳牝馬世代のGI2戦は、アスコリピチェーノとステレンボッシュの、着順を入れ替えてのワンツー決着。この2頭の能力が一枚上、という結果となりました。

 しかしその後、アスコリピチェーノはNHKマイルCに出走。最大のライバルが不在となった今、ステレンボッシュがこの世代で"1強"と判断していいでしょう。

 レースを使いつつ、少しずつ体質は強化していますが、それでも桜花賞時はキ甲も抜けず、トモ高で、前後のバランスなどは整っていませんでした。それでいて、あれだけのパフォーマンスを示しており、今後の成長次第では"名牝"になる可能性は大いにあります。体型や走法、折り合い面から、距離が延びるのはまったく問題なし。クラシックの二冠達成は濃厚と見ます」

伊吹雅也氏(競馬評論家)
「5月5日終了時点の本賞金は1億8820万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としては、アスコリピチェーノ(2億1120万円)に次ぐ単独2位。社台グループオーナーズの所属馬で、募集総額は5000万円でした。母のブルークランズは現役時代にJRAで3勝をマークしています。ディープインパクトらの近親にあたる良血馬です。

 近年のオークスは、重賞ウイナーが中心。1400m超のJRA重賞を制したことがない馬は、2016年以降に限ると1着2回、2着2回、3着3回、着外88回で、3着内率が7.4%にとどまっています。ちなみに、単勝10番人気で2着となった2022年のスタニングローズは同年のGIIIフラワーC(中山・芝1800m)を、単勝15番人気で3着となった昨年のドゥーラは前年のGIII札幌2歳S(札幌・芝1800m)を勝っていました。これだけ実績馬が強いレースですから、無理に嫌う必要はないでしょう」

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