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高松宮記念は短距離路線で猛威を振るう5歳勢が中心 一発あるなら「香港からの刺客」か (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku

――メンバー比較以外にも考慮すべき材料が多く、本当に難解な一戦と思われますが、現時点でのレース展望を聞かせてください。

大西 一連のスプリント重賞を見てきて、現5歳世代がしっかりしている印象があります。というのも、昨年の高松宮記念以降に行なわれた芝1200mの重賞(2歳戦は除く)9鞍のうち、8鞍で現5歳世代が勝利を飾っているからです。

 唯一勝てなかったのは、今年のGIIIシルクロードS(1月28日/京都・芝1200m)。それでも勝ち馬以外、掲示板は5歳勢が独占しました。依然として、スプリント路線は5歳世代がけん引していることは間違いありません。

 その5歳世代は、今回もこの路線の中心的な存在であるナムラクレア(牝5歳)をはじめ、昨秋のGIスプリンターズS(中山・芝1200m)を制したママコチャ(牝5歳)、重賞2連勝で勢いに乗るウインマーベル(牡5歳)や、クリストフ・ルメール騎手を鞍上に配してきたトウシンマカオ(牡5歳)など、充実した顔ぶれ。

 やはり、これら5歳世代が中心になるのではないかと考えています。なかでも、晴雨兼用タイプであるナムラクレアの安定感には一日の長があると見ています。

――一方で、想定外の決着も視野に入れた場合、大西さんが気になっている馬はいますか。

大西 香港馬のビクターザウィナー(せん6歳)でしょうか。GIジャパンC(東京・芝2400m)に来日するような外国馬は「馬場適性の違い」を理由に軽視することもできますが、短距離戦ではそれが当てはまりません。

 しかも、香港のスプリント路線で活躍する馬は世界でもトップクラスの実力を誇ります。その舞台のGIウィナーとなれば、無条件に警戒すべきだと考えます。

高松宮記念での一発が期待されるビクターザウィナー。photo by Tsuchiya Masamitsu高松宮記念での一発が期待されるビクターザウィナー。photo by Tsuchiya Masamitsuこの記事に関連する写真を見る 香港馬はホームの戦いのみならず、アウェーのレースでも多くの実績を出してきました。スプリンターズSでは過去、2頭の香港馬が優勝(2005年サイレントウィットネス、2010年ウルトラファンタジー)。高松宮記念でも、2015年にエアロヴェロシティが勝っています。

 ビクターザウィナーもそれらと共通して、出脚がとても速くてラクに好位を取れます。馬体重500kgほどと馬格があって、走法からもタフな馬場になっても対応できそうな感じです。厩舎サイドとしても、勝算があっての参戦でしょうから、軽視は禁物です。

 というわけで、ビクターザウィナーを今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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