竹俣紅アナが語る競馬研究の喜び ジャパンC「2強」以外にもこの馬に注目! (2ページ目)
かつて女流棋士だった私の経験から言えば、"勝って当たり前"と思われる勝負は難しい。メンタル的に勝ち方がわからなくなるような、謎のプレッシャーを感じることがよくあります。
あれだけ強ければ、勝って当たり前だよと思われるかもしれませんが、それは簡単なことではなかったと思います。これまで何度も手を焼かされたわがまま娘とともに、牝馬三冠を達成した川田騎手に大きな拍手を送ります。
この記事に関連する写真を見る そしてもうひとつの歴史的レースは、天皇賞・秋です。
言うまでもなくイクイノックスの圧倒的な強さが際立つ結果に終わったわけですが、このレースの前にラップタイムの勉強を始めておいて、本当によかったなと思ったレースでした。というのも、過去の天皇賞・秋のラップタイムを調べていたおかげで、イクイノックスがいかにすごい勝ち方をしたのかがよくわかったからです。
昨年のレースでは、パンサラッサが単騎で逃げて、他の馬たちは別のレースをしていた感じでした。ところが、今年は全部の馬がパンサラッサみたいなペースで初めから走っていて、それでいて、前半よりも後半のラップタイムのほうが速いとは......。
そんなラップタイムを記録したレースで、3番手を追走しながら勝ってしまったイクイノックスの強さには、もう言葉もありません。
それにしても、毎度毎度のことながらクリストフ・ルメール騎手はさすがです! ドゥレッツァで菊花賞を勝った時もそうでしたが、心からすばらしい騎乗だったなと思うことが本当に多いのです。
馬に何か言葉をかけているのか。それとも、言葉をかけずとも馬と心が通じ合っているのか。騎乗技術が優れているのはもちろんのこと、目には見えない何か不思議な力を持っているのではないかとさえ思ってしまいます。
もし話しかけているのだとしたら、何語で話しているのかな?(笑)。インタビューさせていただける機会があったら、ぜひ聞いてみたいです。
こうなると楽しみになってくるのが、まもなく行なわれるジャパンCでの両者の直接対決ですよね。それをこの目で見られる私たちは、すごく贅沢だなと思います。
やはりレースのカギを握るのは、イクイノックスでしょう。天皇賞・秋で記録した"世界レコード"は衝撃的なタイムでしたが、その疲れがどのくらい残っているのか。疲れのせいで本来の走りができなくても十分強そうだなとは思いますが、そこが懸念材料であるのは確か。
一方のリバティアイランドにとっては、斤量が軽いというのは有利な材料となるはずです。
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